平成25年3月

平成25年3月11日
 早いもので東北地方太平洋沖地震から2度目の3月11日がやってきました。被災地の皆様には遅々として進まない復興に苛立ちを受けていらっしゃる方も多いと思われます。東京でも今年の冬は特に寒さを感じ東北地方の皆様には尚のこと辛い冬であったこととお察しいたします。
 宮城県石巻市で漁業関係のお仕事をされていたT・S様は、ご自宅を津波により跡形もなく流されたものの、その時ご自身は高台においでになり運良く難を逃れ、妹様ご夫妻のおいでになるあきる野市に避難されました。その後、縁あって23年の5月にコスモホームに入られましたが、25年の2月5日にご親族の皆様に見守られながら89歳の御生涯を閉じられました。在園中は2度の一泊旅行や納涼祭をはじめ各種行事に積極的に参加され、お仲間の皆様から「とくさん」「とくさん」と親しまられた「とくさん」、見知らぬ土地ではありましたが、優しいお友達に恵まれ第二の人生を楽しまれたようです。ただ最後に故郷の石巻市にお帰り頂けなかったことは残念で堪りません。T・S様のご冥福を心よりお祈りいたします。
 地震発生時刻の午後2時46分から2年が経ちました。地震・津波・原子力発電所の崩壊と追い打ちをかけられた被災者の皆様の気持ちを考えるとき、国は(「復興!」「復興!」と威勢は良いのですが)死者・行方不明者が18,549名、更に315,196名の方が未だに避難生活を強いられている現状にしっかりと目を向け、一日も早く支援の実効を上げて頂きたいものと願ってやみません。

                   コスモホーム 施設長 馬場直幸

職員一同